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フランチェスコの今日の一品

しめじのタリアテッレ

秋はキノコの季節・・・と言いたいのですが、実は日本では生キノコが年がら年中に手に入りますすので、イタリアと比べると季節感が少し薄いかもしれません。しかし、これからの季節、より種類が多く、質の高いキノコが店頭に並びます。

イタリアでキノコの王様と言われている生ポルチーニ茸が出回るのは、11月頭ごろから年末の短い期間だけ。その時期になるとどのレストランでもメニューに登場します。
 

日本ではあいにく生ポルチーニ茸はなかなか手に入らないのですが、その代わり、スーパーの棚には生キノコが常に豊富に置いてありますので、正にキノコ料理天国です。

日本に初めて来た頃は、イタリア料理に合う日本のキノコはどれだろうと悩み、以来いろんなレシピをいろんなキノコで試してきました。うちの料理教室カーザ・ブルーザでは、そんな試行錯誤から生まれたイチオシのレシピを集めてご紹介しています。

ということで、今回はキノコの本来の風味を最も引き立たせる、いわばキノコを主役にしたシンプルなパスタ料理をご紹介したいと思います。

イタリアの家庭料理では、特に北イタリアの場合、生クリームを使ったキノコパスタのレシピが多く、日本でもまた、それが主流になっているようです。しかし、個人的には、生クリームは料理人のちょっとした手抜きであり、他の食材の旨味を隠してしまうという禁断の食材だと思っています。従って、生クリームなしで、それなのに、クリーミなソースに仕上げる調理方法をお伝えしたいと思います。

使うキノコですが、品種によってもちろん異なる風味が出ますが、今回はイタリアで手軽に手に入れるキョディーニ茸(chiodini=小さな釘)に少し似ているぶなしめじだけで作ってみました。
焼くとナッツと蜂蜜の香りが出ることから、最近欧州でも「ウマミ成分」を出している東洋食材として高く評価されています。
 

キノコはほとんど水でできており、またキノコのほかに具の入らないパスタですので、2人前であればパスタを多めに160grに対して、最低でもしめじは300gr必要だと思います。
日本では商品の重量がパッケージに表示されていないことが多いですので(EUだと重量表示は法律上義務化されていますので原則として量り売りです)、見た目でわかる単位に言い換えると、大き目のパック2個ぐらい、ダブルパックは1個+小ぶり1個ぐらい、小ぶりのパックは3~4個ぐらい、というのは目安です。

また、店でしめじを選ぶときは、なるべく大きくて弾力のある傘と、太目の柄というタイプにすることをお勧めします。あまり細いものだと、風味が少なく歯ごたえも残らずこの料理に適していません。

最後に使うパスタですが、迷うことなくタリアテッレです。この料理にはこれ以外のパスタは考えられません!

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◎食材 2人前
・タリアテッレ 160gr (ネスト5個ぐらいに相当)
・ぶなしめじ 300gr~
・生ローズマリー
・生パセリ
・ニンニク 2片
・白ワイン(辛口)
・黒胡椒
・パルミジャーノレッジャーノ(粉末)
・エキストラバージンオリーブオイル(以下、EVO)

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①パスタ用のお湯を沸騰させて置く。塩も入れる。(キノコの調理にはフライパンにに入れてから10~15分はかかるので、それを目安にパスタの茹で時間に合わせて、パスタを茹で始める。)
パセリもみじん切りにする(なるべく使う直前に切るように)
フライパンに、少々のEVOを引いて、つぶしたニンニクを入れて弱火で温める。
油の温度が上がったら、火を止めて、ニンニクが油に沈むようにフライパンを傾けて5~10分待つ。このようにしたら、ニンニクは苦みが出ることなく香りをEVOに移す。

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②フライパンからニンニクを取り出し、再び火をつける。中火にして、ぶなしめじを投入し油になじませる。塩と黒胡椒をまぶし、ふたをして中火のまま3分ぐらい炒める。

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③キノコに色がついたら、白ワインをかけてアルコールを飛ばす。

ローズマリーも投入し、あらかじめ用意していたパスタ用のお湯も少し足してから、再度ふたをして弱火で約7分煮続ける。

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④茹で上がる時間3分前に、パスタを鍋から取り出しフライパンに投入。みじん切りにしたパセリ(少量)も投入。水分が足りなかったらゆで汁も少々加える。
パスタとキノコソースとなじませてから、火を止めてフライパンをコンロから降ろす。
チーズとゆで汁を繰り返し少しづつ足しながら、パスタを丁寧にかつ素早くかき混ぜる。
そうすることで、チーズとゆで汁に含まれているデンプンが乳化して、クリームが出来上がる。

※フライパンの温度は高すぎるとチーズが早く溶けて塊ができてしまうので、ここでの温度管理は大切!

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ちょっと分かりづらいかもしれないが、目指しているクリームは上記の通り。

チーズが固まっておらず、滑らかな仕上がり。

チーズ、お湯、でんぷん、EVOを加熱し混ぜ合わすことによって起こる化学反応。

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⑤盛り付けの際、黒胡椒、EVO、粉チーズ、みじん切りにしたパセリをかけたら完成。

Buon appetito!