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フランチェスコの今日の一品

菜の花のオレッキエッテ

美味しい菜の花が店に並ぶ季節がやってきました。
この時期に、イタリアの青空市場でもよく見かける野菜です。
実は、品種は少し違いますが、日本の菜の花に似た野菜「cima di rapa チーマ・ディ・ラーパ」は、プーリア州の代表的な郷土料理によく使われています。下の写真は、ミラノの市場で撮影した、まさにプーリア州産の菜の花です(ファサーノという地方の特産品です)。

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プーリア州では、菜の花は「オレッキエッテ」(=「小さな耳」の意味)という独特の形をしたパスタと一緒に食べます。
最近、日本でもよく紹介されているこのオレッキエッテですが、もともとはプーリア州の家庭で作る手打ちのパスタです。イタリア全土でも生で売っていることが多いのですが、もちろん乾燥タイプも一般的に普及しています。くぼみのある内側と、ざらざらした外側が特徴でソースとよく絡みます。
乾燥タイプの場合はゆで時間が長く、もちもちとした歯ごたえを楽しめます。
余談ですが、プーリア州では、菜の花のほか、トマトソース煮込みの馬肉巻「ブラショーレ brasciole」と一緒によく食べるパスタです。

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日本ではオレッキエッテが少し手に入りにくいと思いますが、似たような形状をしているコンキリエで代用できますし、ファルファッレやペンネ、他のショートパスタでももちろん作れます。

伝統的な作り方だと、菜の花は固い軸を切り落としてから、パスタをゆでるための鍋に入れて火を通します。それによりパスタのゆで汁に菜の花の香りも移りますが、同時にビタミンなどの栄養分もゆで汁に消えてしまいます。そこで、今回は伝統に反しますが、軸を使い切り、なおかつ栄養分をなるべく失わない自分流の作り方をご紹介します。パスタの茹であがり時間と菜の花の加熱時間のタイミングを合わせ、きれいな緑色のソースに仕上げます。
ブレンダーが必要ですので予めご用意ください。

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◎食材 2人前
・オレッキエッテ 140gr
・菜の花 1.5~2束
・ニンニク 3片
・アンチョビ 6尾
・赤唐辛子 適量
・パン粉
・塩
・エキストラバージン・オリーブ・オイル(以降、EVOという)

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①まずは揚げパン粉を作る。
小さめのフライパンに、少々のEVO、半分に切ったニンニク1片と小さめのアンチョビを入れて、弱火で加熱する。アンチョビが溶けたら、パン粉を加えて油となじませる。
弱火~中火程度で、かき混ぜながら焦がさないようにゆっくりときつね色になるように炒める。

※別のレシピでご紹介する揚げパン粉はタッパーに入れて数日常温で保管できるが、アンチョビの入ったものはその日のうちに食べきるように。
 

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②乾燥オレッキエッテの茹で時間は、商品によって12分~18分と長く、パスタのゆで汁を野菜の調理にも使うので、まずはパスタをゆでるためのお湯を沸騰させてパスタをゆで始める。
菜の花の調理は、パスタが茹で上がる時間の6~7分前に始める。

菜の花は、花の部分を固い軸から切り離す。軸はさらに二つか三つに切る。

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③フライパンにEVO、ニンニク、アンチョビと赤唐辛子を入れて弱火で加熱する。
ニンニクは、使う品種、鮮度や好みによって切り方と入れ方は変わるが、ここで使っているニンニクは比較的マイルドなので、2片をつぶして入れる。

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④アンチョビが溶けたら、火を中火にして菜の花の軸を加えて軽く炒める。
約1分したら、花の部分も加えて油と絡ませる。
パスタのゆで汁をおたま2杯程度加えて、ふたをして2分程度弱火で煮る。

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⑤フライパンから軸だけを取り出し、ブレンダーにかけてクリームを作る。水分が足りない場合、ブレンダーにかける前に少々のゆで汁もしくはEVOを足す。

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⑥パスタの茹で上がり時間より1分早くパスタを鍋から取り出し、フライパンに入れる。(残りの1分はフライパンの中で仕上げる。)

菜の花の軸で作ったクリームも加えて、少々ゆで汁を足して全体をよく絡ませる。

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⑦お皿に盛りつける際、EVOとパン粉をかけたら完成。

Buon appetito!